占い師の資質とは何か?を考える
2024年2月9日こんにちは〜アイビーです。
つい最近Xで「占い師に学歴が必要」と言った趣旨の議論が話題となりまして、普段あまり流行っている話題に反応することは少ないほうだと思うのですが、この「占い師に学歴が必要」っていうのは「そりゃあるに越したことはない」と思うし、勤勉さの果報として学歴として顕著に出ることはあるのでその方の勤勉さの証としては強いんじゃないかとは思います。今回は改めて考える機会をXの議論からもらったので、そもそも「占い師の資質ってなに?」というのを掘り下げていこうと思います。
インド占星術が定める「占星術師(占い師)の資質」とは?
私は2021年からKNラオ式のインド占星術を学んでおり、個人鑑定ではインド占星術を使っています。そもそもなのですが、占い師って現代ではなぜか「色物扱い」というかテレビやメディアの影響が大で、飛び道具的パフォーマー的な扱いをされてたりされることがあると思うのですが、インド占星術の世界では古代でも今でもはっきり「先生(上の人)」扱いです。尊ばれる存在です。(実態は堕落した悪徳バラモンも存在するとのことですがw基本的には偉い人)
KNラオ系の書籍にはだいたい序文に記載があったりするのですが、占星術家のホロスコープの条件というのもがあります。書籍に載っているのでここでは詳細を省きますが、この占星術家のホロスコープで良く見ているのは木星という星の状態です。(他にも条件があります)
西洋占星術とも意味がかぶるところ多々ですが、インド占星術における木星には尊師(グル)という意味があります。一族の中で尊敬を集めている年長者や、寛容、慈悲、楽観性、子供などは木星の表示体です。その人のホロスコープでこの木星の品位がどうかとか傷ついていないか?とか、木星の位置がよろしいか?とか見てその人が「占星術師として素質があるか?」を見ていきます。
とはいえ木星の状態が微妙だったとしても占星術師や占い師として敬意を払うべき先生は星の数ほどいます。あくまでも古典に基づいた解釈にはなるので安易に判断しないようには注意が必要です。同じように木星の状態が良くても尊敬に値しない占い師も存在するでしょう。
そして、占星術(Jyotish)は是非他の高い専門分野とタッグを組んで使って欲しいとKNラオ先生は仰っており、そういった占星術以外の高い専門性を持つ方の参入を歓迎しています。ですから結果的に何かしらの学問を極めて高学歴になったり何かの技術をマスターされた方などは、インド占星術の視点からすると「是非学んでください」といった感じになります。ただ、そういった立場の方が占星術とか他占いに興味を持つ可能性は少ないし(現代はなんとなくそうでもないかな?と個人的には思います。)、あとは高い倫理性もインド占星術の世界では大事になってくるのですが、高い知性と高い倫理性、加えてそこに「占星術に興味がある」の3つをベン図的に合わせた時に、3つすべてを満たして真ん中に該当する人物は相当少なくなるでしょう。
インド古典の一つブリハット・サンヒターの第二章では「占星術師の玉条」という項目があり、そこには占星術師の条件や心がけが書かれています。ご興味がある方は是非そのままの文章を読んでいただきたいと思うのですが、私の方でもざっくり言いますと、「良く勉強し、器用で、大胆で、清潔で、よく通る声を持ち、心が綺麗で、祈り、栄養法、悪魔祓い、沐浴法を知り、コミュニケーション能力があり、(依頼者から)聞かれたことにのみ答える…」といったことが書いてあります。「自分の学問のすばらしさによって生じた威厳があり」ともはっきりと書いてありますので、勤勉であるということはやはり当たり前に大事な占星術師の条件だと言えるでしょう。
占い師にとって自分の人生はとっておきの実験場
インド占星術文脈的には占い師の定義をお話しましたが、個人的に思う「理想の占い師」というか、「こういう姿勢があったり経験がある占い師は信用できる」と思うのは
「その占い師(人)が自分の運命を受け入れていたり、もしくは受け入れる!という肝が座っている」かどうかです。また、自分の人生に起こったいわゆる挫折に対してどんな意味付けをしているか?ですね。
「動じない」「堂々としている」という感じでしょうか。これ、なんていうか空回りなポジティブや痛々しい虚勢とかじゃなくて「しゃーねーな!!俺という今生をやるか!!(ガハハ)」っていう一種の開き直り、諦め。でもそれに対して悲しんでおらず、淡々と等身大の自分を楽しく生きる感じなんですよ。
等身大だけど、成長を諦めていなくて、弱点克服を諦めてなくて、自分の最高を常に厳しくアップデートしていけるような根気と謙虚さも必要だろうし、なにより他責にしないというところでしょうか。
人生っていろんなこと起こりますからね。「こっちに行きたい!」って思ってんのに運命側が熾烈な試練送りつけてきたりします。それに対してどんな解釈を与え、乗り越えたり上手く痛みをやり過ごしたりするかです。
技術や知識云々ももちろん占い師には大事だと思うのですが、占い師って仮にも人様の人生をのぞかせていただいてそこにメッセージを送る人なので、そんな人が自分自身の今生に強いメッセージを送れなかったら説得力がないと思う。占い師にとって自分の人生はとっておきの実験場なので、その自分の生、人生をダイナミックに謳歌することが一番なんじゃないかな?と個人的には思っています。
…とまあ、ここまで長々と語ってしまったわけですが、自分が描いた理想に対して私は淡々と近づく努力をするだけなので、天寿全うするまで精進します!
【参考文献】
◆天の羅針盤 KNラオが語る 著KNラオ(ジョーティッシュ・ダディ)
◆ブリハット・サンヒター 占術大集成Ⅰ古代インドの前兆占い 著ヴァラーハミヒラ(平凡社)